研究開発

撹拌機とは?

現代社会には、様々な工業製品が溢れています。
それら身の回りの工業製品の製造過程には、色々な目的で撹拌する工程が存在し、それぞれのプロセスや要求に相応しい撹拌機が使われています。

撹拌機は、具体的にはどんな場所で使われているの?

撹拌機は、私たちに身近で生活には欠かせない製品や場所で利用されています。

例えば、以下のような製品の製造工程で、上下水道の水処理施設でも撹拌機が活躍しています。

プラスチック製品
ゴム製品
食品・飲料
医薬品
製紙
塗料
金属
水処理

撹拌機は、どんな構造で動いているの?

撹拌機は、エネルギーを回転に換え、インペラを介して内容物に力を与えることで動かしたり、混ぜたり、解したり、小さくしたりする機械です。

液体を扱う一般的な撹拌機は、大きく分類すると、モータ、減速機または変速機の駆動部、フレーム、軸封などの本体部、シャフト、インペラの槽内部で構成されます。

駆動部

駆動部は電気や空気圧のエネルギーを回転に変えるモータ、仕様回転数に減速する減速機、または回転数を変える変速機によって構成されます。

モータ

電動式やエアー式が一般的です。また、使用環境(電圧、周波数、相数、防爆エリア、温度、湿度など)によって、適切なモータを使い分けが必要です。

減速機

モータの回転数を適切な回転数に下げる機構で、ギヤタイプの他にベルト式、サイクロ式など有ります。

変速機

モータの回転数を自在に変えることが出来ます。減速機と組み合わせて使うことも多くあります。(バイエル式やリングコーン式など)

本体部

本体部は、フレームと軸封で構成されます。

フレーム

減速機部とタンク取付部の中間に位置して、モータや減速機を支持し、タンクに固定するフランジやクランプを有します。フランジタイプの多くは、内部には軸封を有します。
必要に応じて、加圧缶なども付帯します。

軸封

管内(タンク内)のガス、圧力、温度を閉じ込める重要な構成要素です。種類は、簡単なグランドパッキンから、高温・高圧まで対応するダブルメカニカルシールまで多数あります。さらに、特殊用途用にウォーターシールなどもあります。

代表的な軸封

グランドパッキンシール

<槽内圧力>
大気圧~微圧

<槽内温度>
120℃以下

簡単な構造、安価、
様々な流体に対応。

ドライメカニカルシール

<槽内圧力>
FV~0.19MPaG

<槽内温度>
150℃以下

簡単な構造、安価、
封液不要。

ダブルメカニカルシール

<槽内圧力>
FV~0.99MPaG

<槽内温度>
300℃以下

高価、複雑な構造で封液用加圧設備が必要。
使用条件の制限が少ない。

ウォーターシール

<槽内圧力>
1.0kPaG程度

<槽内温度>
100℃以下

簡単な構造、ガス体に使用。動力損失が無く、臭気対策に用いられる。

構内部

圧力容器やタンク内に設置される構成部品の総称です。取扱う内容物によって、使用される材料が異なり、腐食性、洗浄性、帯電性などを考慮して材料が決定されます。ステンレス鋼が広く使われますが、チタン材やニッケル合金などの他にテフロンコーティングやゴムライニングも腐食や付着に有効とされプロセスに合わせて選定されます。

シャフト

減速機を介して伝達された動力を撹拌翼(インペラ)に伝える役割があります。
タンク形状やインペラの設置位置によって、軸長は様々で条件に合わせて調整が必要です。

撹拌翼(インペラ)

撹拌機の心臓部とも言える最重量パーツです。
一言に撹拌と言っても、液体、固体、気体などを混ぜる、塊を解す、粒子を浮かすなど様々な用途、目的があります。また、対象となる母液や内容物の性状(比重、粘度、大きさなど)や条件(通気流量など)をよく把握し条件に合った適切なインペラ選びが良好な撹拌への近道となります。

標準的な撹拌翼

3枚プロペラ

ピッチドパドル

6枚フラットディスク
タービン

アンカーパドル

高効率撹拌翼 サタケスーパーミックスシリーズ