撹拌とは
撹拌と言われて何の事だかすぐにピンと来る人は多くないかもしれませんが、日々目にするもの、手に取るもの全てのものに関わっていると言っても過言ではありません。撹拌機とは、言うまでもなく撹拌をする機械なのですが、ミキサーといった方がわかり易いかもしれませんし、アジテーターとも言われています。
撹拌とは何か
皆さんが普段口にするコーヒーに砂糖やミルクを入れた後や、お風呂のお湯が熱くて水を入れた後にすることは何でしょうか。
まず間違いなく、かき混ぜますよね。
そうです、味を調えたり、温度を均一にしたりするために「かき混ぜる」事こそが撹拌なのです。
このように、撹拌とは「かき混ぜて目的を達成すること」を意味します。
この一言で表現してしまいましたが、その目的が実に多種多様なのです。
コーヒーのかき混ぜ
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この様に考えますと、ありとあらゆるものを作るのに役立っている撹拌は、我々の生活を支える縁の下の力持ちといえます。
「かき混ぜる」とは何か
槽の中ではいったい何が起こっているのか、「かき混ぜる」を少し詳しく説明しましょう。
槽の中のものをかき混ぜるためには、対流と拡散という2つの混合作用が必要になります。
ものをかき混ぜるためには対流が特に重要で、異なったものを槽の中で効率良く分割したり引き伸ばしたりする事で、空間的に均一に配置する役割を果たしています。
一方拡散は、互いの成分が分子運動によって自然と混ざり合っていく様子です。対流と比べると、分子レベルであるので細部にわたり隅々まで混ぜる事が出来ますが、完全混合に達するまでには著しく時間が掛かってしまいます。
では、混合作用で重要な対流混合を、模式図を使って考えてみましょう。
1
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両成分の存在比が1:1であるならば、全体における成分Bの濃度は1/2となります。
2
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3
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(2)での細分化、(3)での再配置を繰り返す事で混合が進んでいきます。
両成分を互いに細かく分断する為に次の(4)~(7)の変形・相対移動(伸縮、剪断、分割、重ね合わせ、回転、分散配置など)が必要になります。
4
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6
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7
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この(4)~(7)を繰り返す事で混合が進んでいきます。
これらの模式を、実際の現象に当てはめて見ます。
液体をかき混ぜる事により、液内部の固体を流動させ、均一に分散させます。
液体に固体を溶解させる場合も、固体をいかに流動させるかがポイントです。
スープを作る際に具を混ぜるのは前者、塩や味噌を溶かすのは後者で、(1)~(3)の分散再配置がこれに当ります。
固体と液体のかき混ぜ
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液体同士は接触している部分から自然に混ざり合おうとしていますが、撹拌することで強制的に液体を引き伸ばしたり分割させたりし、接触面積を大きくすることによって混合を促進させています。
コーヒーとミルク、お湯と水を混ぜるのはこちらで、(4)~(7)の剪断引き伸ばし・重ね合せがこれに当ります。
液体と液体のかき混ぜ
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水と油は互いに混ざり合う事はありませんが、撹拌することにより油の液滴を細かく分散させます。
イメージがわき難いかもしれませんが、ドレッシングを使う前にビンを振るのはこの作用です。
水と油のかき混ぜ
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さて、かき混ぜるためには槽の内容物に流れを発生させなければなりませんが、実際の撹拌装置ではモーターで撹拌翼(インペラ)を回転させることで、その働きを担っています。
この撹拌翼にはその形状の違いから、剪断力(物を壊す力)の強いもの弱いもの発生する流れの速いもの遅いもの、又流れの形にも様々な特徴があります。 全ての基本はこの流れにあり、流れを上手く使う事によって液体と液体を混ぜる、固体や気体を溶かす、温度を均一にする、物を壊さずに分散させる、といった目的を達成できるのです。
我々サタケでは、撹拌翼にとことんこだわり、お客様に満足頂ける撹拌を提供しています。
流れの様子
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